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2010年03月11日

東京大空襲から65年となりました。

3月10日は,10万人が犠牲になったとされる東京大空襲から65年目となる日でした。
犠牲になられた方々にご冥福をお祈りいたします。

会場では,水木さんが体験した戦争体験を複製原画でご覧いただいております。
アンケートに
「先生の平和への祈り,戦争の体験を風化させまいという熱意は,とても尊いものであると感じました」
と記された方がいらっしゃいました。

平和な日々に感謝するとともに,戦争体験を語り伝えることの大切さを大事にしていきたいですね。

本日は,図書館の協力をいただいて,作品コーナーより戦争体験記をご紹介します。

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『トペトロとの50年―ラバウル従軍後記―』  中央公論社
  【複製原画展示中】

「鬼太郎たちは実はいわば、トペトロたちなのだ。」(本文より)
 トペトロとは、著者が戦争中に出征したラバウルで出会った現地人(トライ族)で、本書は、トペトロと著者の五十年にわたる交遊が綴られています。復員後、三十年ぶりにラバウルを訪れた水木さんは、その地を「水木南方大天国」と呼び、その後もたびたび訪れるようになります。防空壕にお化けが繁殖して困るというトペトロ、ビールばかり飲んで家も建てないのんき者のトブエ、ドクドク(カミ)の踊りで催眠状態になるトワルワラ。自給自足で自由な生活。どこかおかしく、愛嬌のあるトライ族。そしてそんな彼らの生活にすっかりとけこむ著者の姿に、自然のままに生きる人間の豊かさが感じられます。「鬼太郎の世界は彼らに似ているのだ」と語られているように、トライ族との交流の中に、鬼太郎たちのルーツを見ることができます。
デビュー以前の貴重なスケッチやラバウルの写真ほか、架空の水木プロ訪問記も楽しめます。


『総員玉砕せよ!』  講談社
  【複製原画展示中】

この作品は、ニューブリテン島バイエンに上陸した小隊の命運を描いています。解説によると、九十パーセントが事実で、作品中の田所支隊は、実際に水木さんが所属した成瀬大隊の行末をほぼたどっているそうです。それを踏まえて二度目を読んだとき、ラスト数ページの写実的な絵と、モノローグに、戦争の恐ろしさと虚しさを覚えました。
戦争を知らない世代にも、ぜひ読んでほしい作品です。人が人に死ぬことを命令する異常さ、その異常さがまかり通っていた時代も、やはり異常だったということは想像がつきます。
 あとがき最後の、水木さんの言葉が印象的です。
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